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クロアチアは東ヨーロッパ、バルカン半島に位置する共和制国家です。

本土では西にスロベニア、北にハンガリー、東にボスニア・ヘルツェゴビナ、ビアと国境に接しています。南はアドリア海に面し対岸はイタリア、飛び地のドゥヴロヴニクでは東にモンテネグロと接しており、首都はザグレブです。

北緯45度線周辺にあり緯度は大体北海道北部ぐらいで気候は日本のように四季があり、降水量が少なく夏と冬、昼と夜の気温差が大きい特徴があります。昼は宮城より暖かく、夜は宮城より寒いと感じられました。

人口4,416,000人面積56,542km2人口面積80人/km2(日本は1億2711万、377,972km2、340.8人/km2)と単純に表現すると日本より少なく、日本より狭いといった感じです、これに関しても実感はあり、首都のザグレブでも仙台ほどの人の多さはなかったように思います。

歴史的には他のヨーロッパ諸国と同様にキリスト教国、オスマン帝国からの影響を受けています。20世紀以降はユーゴスラビア王国(クロアチア自治州 →クロアチア独立国)→ユーゴスラビア社会主義連邦共和国を経て1991年6月25日独立。2013年7月1日に正式にEU加盟しました。

教会が町中に点在し、町の周りにはオスマンからの攻撃を防ぐ城壁が見られました。経済はGDP約580億ドルで一人当たり13401ドル(日本 4兆4120億ドル、3873ドル)で付加価値税(消費税)は23%、通貨はKn(1Kn=約16円)です。


国民は原則として健康保険に加入しています。この健康保険でまかなえない部分を加入保険で補うため、それを使わないようにするため国民の姿勢は医療を受けないようにするといった姿勢になっているそうです。かかりつけ医師制度があるため医師の需要は高く、反して制度としてのかかりつけ薬剤師制度はないため薬剤師の需要は医師の1/4と低く若い薬剤師が職を得るのは難しいそうです。(かかりつけ薬剤師制度ないが原則として薬剤師はかかりつけ薬剤師のこなすことを為す職業といった認識があります。)また電子処方箋からオンラインで診断名や検査結果が得ることができます。

  • 保険証
  • 電子処方箋

自分がOTC欲しくて立ち寄ったまたは外観のみ観察した薬局ですが基本的に薬剤師が前に出て対応することは少なく、テクニシャンが手に負えない時に薬剤師が対応する(薬剤師の仕事は判断すること、考えること)形を取っており、基本的にテクニシャンで店が回るのではといった印象を受け前述の薬剤師の需要が少ない理由にも納得がいきました。(OTCの対応もテクニシャンがしてくれました。)そのため首都で働く薬剤師は能力が高く、中心地ともなると英、仏、独、伊語で対応できることが必要になるそうです。

人通りの多い中心地では24時間対応の薬局も見受けられ、写真のような設備がありました。

  • 24時間体制の受付。
  • 待合室。
  • メラトニンの舌下スプレー。

薬学部の設立は1882年。大学樹立に携わった教授、講師は男性ばかりだったが現状教授、生徒ともに大半が女性だそうです。
入学は難しくないが卒業は難しく、その認識も広まっているのか優秀な学生が受けるのが前提になっているようです(1年に4回のテスト)。
基礎2年臨床2年インターン3年を経て薬剤師になるそうです。また薬剤師免許は更新制で6年毎に更新する必要があります、単純な試験によるものではないようで評価ポイントとして後進などへの指導(授業、公演)も必要となるそうです。 2~3つぐらいしか薬学部がないそうで、逆に日本の現状を伝えたところ驚いているようでした。
薬剤師としての勤務先は90%以上が薬局で病院で働く人は少数だそうです。病院で働くためには薬剤師免許以外に資格が必要になるそうです。

薬局の開局は07:00でこれはこの薬局に限ったことではないとのことでした。OTC、処方箋の患者さん半々くらいで200から250人/日の患者さんを薬剤師2人で対応しているとのことでした。処方箋は処方箋1枚につき、1つの薬のみで精神科の処方箋のみ様式が異なるそうです。また、保険者の立場が強く、GEでないと認められないこともあって在庫している薬のほとんどがGEだということでした。疑義照会は用量、相互作用によるものが多く医師は薬に関して詳しくないという意識があるようでした。アドバイスに関しては薬の飲み方を指導するという感覚は稀釈なようで多くは医療費を減らすといった視点で行われているようで、飲み方に関しては自己責任といった考えがあるそうです。

  • 1枚につき、1種類しか薬載っていない
    処方箋
  • 抗生剤は25~28度で温度調節

1391年に開業したクロアチア一古く、ヨーロッパでも3番目に古い薬局です。多くのハーブの薬品瓶がならんでおり、当時のアスピリンの広告などがありました。処方箋対応もしているようでしたが薬局で製作しているクリームや美容液がメインのようでした。来局時はほとんど人がいませんでしたが後で調べるとかなり人気のようです。実際ここで買った保湿クリームはかなり効いているように思います。(プラセボにあらず・・・なはず)

また薬局隣にあった展示室には古い薬歴、毒薬箱、航海用の薬箱、調合用の道具などが展示されていました。

モンテネグロでは薬剤師になるのに基礎5年インターン1年と日本と同じ年数が必要であると言う話を聞けました。ここに係わらずこの研修中に見たすべての薬局で共通する自分の気になった特徴としては「椅子がない」ということでした。中心地の薬局もお昼近くの混雑する時間帯でもご老人達は立ったままでカウンターに並んでいました。

今回の研修で自分がクロアチアの医療に関して注目したことは日本との薬剤師と患者さんの関わり方の違いです。クロアチアでは「患者さんが必要に応じて薬剤師の能力(知識)を使う(借りる)、薬剤師は患者さんが出来ないことを請け負う」という自然なことが実行出来ているように感じました。そこには日本のような「患者さんは薬剤師の話を我慢して聞く」「薬剤師は患者さんが出来ること出来ないこと鑑みず取りあえずやってあげる」というような不自然な姿、気負いはなくただただ必要性、合理性を追求した結果のように感じました。
クロアチアでの患者さんと薬剤師のお互いの自然な信頼関係を見ているとGEの低普及率と異常な多剤併用は個人の負担を減ずる必要性を感じる制度にないためか、指導料という制度と薬剤師の過剰な数は患者さんの本来持っている自己責任能力、自己管理能力を不当に過剰に低く見積もる驕りのためではないかなど普段考えないことが色々とあたまに浮かびました。
もちろんクロアチアの医療にも自分には見えない粗があるのでしょうが、患者さんとの関係性に関してのみは「こうありたい」と素直に思えました。

終わりに今回の経験で患者さんの必要とするものが何かを見つける能力、何かに応える能力。自分の感じた「こうありたい」に取りあえずそこら辺の不足と向き合うことから初めて行きたいと思います。

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