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ロサンゼルスは、アメリカ合衆国カリフォルニア州の都市です。ニューヨークに次いで全米2位の人口規模を持ち、人口は約380万人、面積は1290.6km²あり、アメリカ西海岸を代表とする世界都市の一つです。気候は地中海性気候、砂漠気候で年間を通し温暖ですが、冬は雨が多く朝晩は10°C前後まで下がり、夏の日中は気温が40°C近くまで上がる日もありますが、湿度が低く乾燥しているため夕方を過ぎると涼しくなります。


ところがアメリカ第2番目の大都市にもかかわらずロサンゼルスは公共の交通機関が日本やアメリカの他の都市と比べて発達していません。車が無ければ生活できないといっても過言ではないほどロサンゼルスには車が不可欠です。そのため車が移動手段を想定した街作りがなされていて、道路は非常に整備が行き届き一般道路も日本や他のアメリカと比べて広く、軽自動車が全く走っていないことが日本と違って発達した街だと感じました。

アメリカには日本の国民健康保険制度にあたるものがなく、65歳以上の老人医療のメディケア制度と生活保護のメディケイド制度だけです。 医療費用の高いアメリカでは医療費をカバーする医療保険に加入するのが望ましく、健康保険は一般の医療費用・歯科用費をカバーする医療保険と、病気・ケガなどで就業不能になった時の所得を補てんとする所得補償保険に分かれます。 加入形態は、個人で加入する個人健康保険と会社で一括加入する団体健康保険とがあります。団体健康保険は、従業員の福利厚生の一環として会社が加入するもので、個人保険よりかなり掛け金が安い事が特徴です。大団体になるほど掛け金は安く、内容もバラエティに富んだものとなります。アメリカの労働者のうち84.1%は、企業が実施する団体保険に加入していて、



1 保険会社や自家保険などが提供する後払いプラン
2 HMOを通じて提供される前払いプラン


があります。後払いプランとは一旦、患者さんが医療費を立て替え、後で保険会社へ請求する形であり、前払いプランとは前もって一定額支払えば、患者さんは医療費を立て替える必要がないものとなっています。HMOは簡便な代わりに利用できる医者、病院が限られているため一定規模以下(50人以下)の日経企業では、後払いプランを提供するのが一般的だそうです。

日本では全国一律の薬価基準が適応されるため、全国どこの医療機関や薬局で医薬品を購入しても、その値段は均一です。一方、アメリカは自由競争の国です。これは薬の販売についても同じです。外来処方薬をカバーするアメリカの医療保険をお持ちの方は、その契約内容にもよりますが、一般にCOPAYと言われる一定の自己負担金を支払えば、残りは保険会社が支払いをしてくれますので、どの薬局でも個人の支払い額は変わりません。ただし、その自己負担金額は、ブランド薬(製薬会社の特許が切れていない医薬品)とジェネリック薬で異なります。
一方、医療保険でない場合、あるいは医療保険を持っていても外来処方薬がカバーされない場合には、100%自分で支払うことになりますが、この場合薬局によって最大15%程度の価格の違いがあります。大手チェーン薬局などはその集客力を背景に製薬企業と直接交渉し、大量購入により大幅な値引きを実現しています。一方、個人薬局は大手チェーン薬局に比べて、高価格での仕入れを余儀なくされています。一般的に個人薬局はサービスの質の高さでチェーン薬局と競争しています。しかし、大手チェーン薬局がどんどん買収しているために数は減りつつあります。

Pasadena市にある独立系薬局。
アメリカにはチェーン薬局、独立系薬局、スーパーや雑貨店の店内の薬局、オンラインショップの4種類の薬局があり、一般的に独立系薬局のほうが、チェーン系の薬局より金額は高いがサービスの質が高いといわれ、そういうところでチェーン系の薬局と競争しています。また、独立系薬局のような個人薬局はその地域のニーズにあった対応ができることも重要だそうです。


●1984年に開業。
30年くらいやっているそうです。
●スタッフは薬剤師3人、テクニシャン3人
薬剤師はローテーションで基本は1人か2人で行うそうです。
●1日の処方箋枚数:少ないとき15人、多いとき50人
処方箋は枚数を数えずに、錠数で数えているそうです。
アメリカでは1回の処方が日本のようにたくさんではなく1~2種類なので錠数で確認しているそうです。
●70~90%がジェネリックを使用していて、処方箋は直接持ってくる他は電子メールで送られてくるそうです。

コンパウンド

こちらの薬局ではコンパウンドに力を入れていました。コンパウンドとは製剤のことで、製薬会社などで作っていない薬も医師が使いたいものをこちらで製剤してお渡ししているそうです。製剤を行う薬局はアメリカでも珍しく、この辺でもこちらだけだそうです。コンパウンドは誰でも出来るわけではなく、特別なトレーニングを受けなくてはならないそうです。こちらの薬局でもOrlandoさんだけが製剤でき、もう20年以上行っているそうです。

カプセルの製剤

その他の製剤

座薬は左下の道具で作ります。こちらに薬を入れて冷やして作るそうです。右下はこちらにクリームなどを入れてお渡しします。こちらはダイヤルを回すと塗る適量が出てきてクリームが出過ぎることを防ぐことができるそうです。真ん中の機械は、粉や軟膏を混ぜる機械や、軟膏をただ混ぜるのではなく、軟膏同士をギュっとくっつけるように出来る機械などがありました。

調剤過誤

過誤がおきた場合は記録用紙に記入してチェックしているそうです。

錠剤

錠剤はバラのものをボトルに入れてお渡ししていました。ボトルも普通に回すだけではあかないようになっていました。押しながら回さないとあかないようになっていて子供がまちがってあけてしまわないように工夫されているそうです。また、アメリカでは日本のようにヒートのお薬が使われることは少ないそうです。

一包化

老人ホームなどの患者様に届けるときにしているそうです。

テクニシャン

Orlandoさんはテクニシャンがいてくれてよかった、とても助かっている。日本にテクニシャン制度がないことはとても残念だ!とても助かるのにとおっしゃっていました。 アメリカではテクニシャンが薬剤師からとても必要とされ信頼されていると感じました。

ロングビーチ記念病院の敷地内にある、在宅医療を専門とした薬局です。在宅医療専門のため、薬局内に患者さんが居ることはなくスタッフのみ、スタッフの人数は、薬剤師3人、テクニシャン4人、クラーク5人。
今回説明をしてくださったMikeさんを含め、ここで働く薬剤師の方はみなさんとても優秀な薬剤師で、もともとはロングビーチ記念病院に勤務されていましたが、アメリカでは病院薬剤師が必要ないとなり、80人ほど居た中から3人残りこの薬局に移ったそうです。
在宅医療とは、本来病院で治療しなくてはいけない人が自宅で治療を受けられるようにするためのコスト削減のため考えられたシステムで、入院日数の少ないアメリカでは日本と違い充実したものとなっているようです。

主な仕事の流れ

この薬局では、在宅医療で使う薬とインフュージョンセンターで使う注射薬の調剤をしています。

●患者さん受付

●保険会社に連絡(ここでどれくらいの治療をして良いか決めます。)

●薬剤師が調剤する内容を考える(患者さんの血液検査の結果などを参考に考えます。)

●その指示に従って、テクニシャンが治療に必要な薬を用意

●テクニシャンが調剤、用意した薬を薬剤師が監査
(監査した薬は患者さんごとに青色のボックスに入れます。)

●クラークの方により、箱に詰められ、それぞれの患者さんのもとへ送られます。

また、薬を送るだけではなく、実際に患者さんの家へ訪問する際、日本のように薬剤師が行くことはなく、主に注射薬の使い方などを指導するため、看護師さんが訪問するそうです。

テクニシャンの仕事

・混注業務(注射剤。複数の薬剤を混ぜ合わせ、一つの袋に入れる。)
・注射剤の調剤(○日分なら○本のように)

見学させて頂いた時も、実際にテクニシャンの方がクリーンベンチの中で混注業務を行っている際中でした。
二種類あり、一般的な薬の混注をする際に使われるクリーンベンチは、中にゴミが入らないよう、汚い空気を外に出すため、空気が上から下へ流れています。
この時テクニシャンの方が混注業務を行っていたのもこちらです。

もう一つが、ガンの薬を混注する際に使われるクリーンベンチです。手を入れて行うので、ガンの薬から自分の身を守るため、こちらは空気が下から上へ流れています。

・ガン ・抗生物質 ・高カロリーを抑える薬

この三つが混注のほとんどの仕事だそうです。
テクニシャンの学校は日本でいう専門学校のようなもので、調剤薬局で働くことを目指している人は6カ月、この薬局のように混注業務を行うテクニシャンになるためには8カ月通う必要があるそうです。

日本の在宅医療との違い、またこの薬局でのほとんどの仕事がテクニシャンの仕事で、テクニシャンの存在の大きさをとても感じました。

今回2件の薬局を見学させて頂いて、日本にはない特別な製剤方法やコスト削減のためのしくみがあり、その場所、地域にあった調剤や経営をしていること、働いている人達が皆さん楽しそうに仕事している姿がとても印象的でした。
テクニシャン制度が充実しているアメリカでは任せられる仕事の幅も広く、薬剤師からの信頼も厚い、なくてはならない存在だということをとても感じました。
環境は違いますが、この研修で感じたことを今後に生かし、薬剤師や患者さんから必要とされる仕事をしていけるよう、日々一生懸命取り組んでいきたいと思います。