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今回のセミナーでは、薬局を20店舗経営する、Duane Saikami氏という日系3世の方を講師として行われました。座学、アメリカの薬局や病院の見学、ケーススタディを通してアメリカの医療システムや、いろいろな考え方を学んできました。
日本の医療システムはアメリカと比べると、10年遅れているという見方があるようです。文化の違いや制度の違いにより、一概に比べたりそのまま取り入れたりということは難しいですが、「木を見て森を見ず」ということにならないよう、客観的に広い視野でお互いを見た時に、気づかされる部分や今後の変化に対応するためのヒントがあるように思います。

セミナーのはじめにDuane氏に言われたことがあります。
「走る練習をしていなければ、フルマラソンを走れないように、準備をしていなければ機会が訪れた時に機会が訪れたことに気づかなかったり、機会を逃してしまったり、結果を出せなかったりしてしまう。日本には制限が多いかもしれないが、チャレンジできるよう機会を待つトレーニングも必要ではないか。トレーニングはラーニングでもある。段階的に継続的に行う必要がある。」


初めに、アメリカの基本的な医療制度の全体像の確認です。下図はそのサービス提供の全体的な流れです。アメリカの医療保険は「民間保険」と「公的保険」に大別することができます。
「民間保険」は全体の6~7割を占めています。民間保険は所得レベルに合わせたプランを選択できます。プランには、医療費の支払いが出来高払い(FFS)と包括払い(DRG)の2つがあり包括払いの「マネジド・ケア型プラン」が主流となっています。
マネジド・ケア型プランでは、保険者と医療機関がサービス内容や費用について、あらかじめ契約を結び、医療費の抑制、受診行動の適正化、患者の健康維持、医療サービスの合理化を組織的に行っています。この仕組みは受診制限などの自由度が異なるいくつかの種類(HMO,PPO,POS)があります。

一方、「公的保険」は連邦政府が運営する「メディケア(65歳以上の高齢者対象、定額包括払い・出来高払い)」と州政府が運営する「メディケイド(低所得者層対象)」があります。
ここで日本と大きく異なる点は、「民間保険」が主流であり
・医療保険にも競争原理が働いている。
という点です。
競争原理が働いているというのは、日本の国民皆保険のように一律誰でも同じ医療が受けられ、負担割りもほぼ一律に決められていて、高額医療制度や特定疾患、生活保護等でほぼ医療が保障されている。というのに対し、アメリカの保険の6~7割を占める民間保険では、各自の所得レベルや各個人の医療や保険に対する価値観で、様々ある保険会社やその中のプランから選ぶという商品体系(フリーマーケット)になっています。
場合によっては治療費を払えないために治療を受けられない場合があります。
一般的なサラリーマンは、務める会社(雇用主)が契約している保険か、自分で選んで保険を受けるシステムになっています。なので会社(雇用主)は雇用者に対する一つのアピールポイントとして「保険」が有効に働くこともあります。
アメリカには無保険者(小さい会社に勤務、自営業の場合など)が全体の15%います。最近では、無保険者を少しでも減らすためにオバマケアが実施されました。
現在のアメリカのジェネリックの使用割合としては約80%です。


アメリカでは日本で導入されていない独特な投薬の仕組みや組織があります。
アメリカで調剤される医薬品は「フォーミュラリー」と呼ばれる処方リストによって決められています。病院や薬局に推奨する医薬品リストです。処方リスト次第で使用できる医薬品の種類や質が決められるため、製薬メーカーでは自社製品がこの処方リストに掲載されるよう、薬学的なコンプライアンスやコスト面も含めたPR活動を行っています。この処方リストはPBMが作成し、保険の種類や下に出てくるPBMによって異なってきます。処方リストは利益、回転率、業務効率、ミス軽減、のためにとても大切なものとなります。
投薬形態には「リフィル処方」という仕組みがあります。アメリカでは効率性の追求と薬剤師の健康管理・指導能力の高さによって実現されています。
その他、アメリカの医療保険には、日本にはない医薬品に係る2つの組織があります。1つは「PBM」と呼ばれる組織です。PBMは処方リストに基づく処方薬の薬剤コストを削減させる役割を担っています。もう1つは「GPO」と呼ばれ、小売り薬局(個店)が医薬品購入のバイイングパワーを得るために集まった共同購入組織です。GPO以外にも医薬品卸からの購入ルートがあります。
日本には存在しないPBM(企業や保険会社の薬剤給付プログラムを管理する会社)の存在が日本との違いを生んでいる重要なポイントであると考えられます。


・PBMとは
PBMとはメーカー、保険会社、病院、薬局などの薬やお金の流れの中で通過する必要のある独立した業界として成り立ち、薬のシェアや保険の支払い等をコントロールできる存在です。

保険会社がPBMを選んで契約します。薬局は来局した患者さんが入っている保険会社が契約しているPBMと契約しなければ支払いを受けられません。薬局側がPBMに申請を出してPBMがその薬局を法的や構造的、体制的にレビューをして契約を結びます。
PBMはメーカーや保険会社の保険プランなどに基づき処方リストを作成し、病院や薬局はその処方リストに基づき処方、調剤します。処方リストになかったり先発品を調剤したりする際に事前承認がおりなかったりすると、保険適応にならず、患者の負担割りが大きくなります。
PBMにも多くの会社が存在し、中には自ら薬局を運営している企業もあります。

PBMの基本データとして
・薬に関する保険に加入している患者の約95%がPBMを通じて給付を受けている。
・PBMは米国で毎年処方される39億以上に上る処方箋の約98%を管理している。
・一定区域内にある薬局の95%以上がPBMのネットワークに加入してる。
などがあげられます。

薬局では基本的に処方箋(ほぼ電子処方箋)を受付入力後に、オンラインでPBMに請求して(数秒で患者負担割や金額が出てくる)からラベルが印字され調剤という流れになります。

PBMは付加価値サービスとして、調剤される前に電子的な臨床チェックを行います。
・薬物相互作用
・薬剤と疾病の相互作用
・薬剤と年齢との相互作用
・適切な用量
・過度の使用
・その他の要因など

PBMにも処方集の作成や、メーカーとの交渉のために薬剤師がいます。ポイントとして、PBMはデータを利益に変えている点です。薬に関するデータを集め、薬局に提供、メーカーにデータを売って利益をあげています。

ロスについてから二日目のディナーは日本創作料理店東京テーブルでした。
日本酒も置いてありましたが、日本の相場の約3倍でした。
右の写真はの料理のうちの一品
「寿司ピザ」です。
一番下の海苔がベースとなり、一番上の緑色のが唐辛子ハラペーニョです。ほぼピザです。ハラペーニョがピザに負けそうな寿司のさっぱりさとわさびのような丁度良い刺激を生み出してました。

アメリカの薬局には大きく3種類に分けられます。
・リテール薬局(チェーン薬局、スーパーマーケット、大型小売チェーン、独立系薬局)
・メールオーダー薬局(amazonのようなシステムで慢性疾患など長期処方を取り扱う)
・スペシャリティ薬局(在宅、注射、がん、インターネット、HIV/AIDS)
日本でいう調剤薬局はリテール薬局に分類されます。

・リテール薬局
薬局のスタッフとしては薬剤師、テクニシャン、クラールがいます。

(薬剤師の主な業務)
・処方監査

・DRやほかの医療スタッフへの照会、依頼
・カスタマーサービス・患者カウンセリング
(MTMやOTCやサプリの提案など)
・予防接種(1日でとれるような認定が必要)

(テクニシャンの可能な業務)
・データ入力、調剤、ラベル添付、薬を棚に戻すなど

(クラークの可能な業務)
・受付、データ入力

・典型的な薬局の現状
処方薬は売り上げ全体の約88%
OTC、雑貨、医療用品、などは約12%
平均処方箋枚数:約172枚/日

電子処方箋や自動調剤機など、情報の電子化や機械化により業務の効率化と正確性がすすんでいる印象を受けました。そのためか、基本的に処方箋100枚に薬剤師1人テクニシャン1人でもまわせるようです。原則としては薬剤師1人に対してテクニシャン2人を雇えるようですが、受付担当などでテクニシャンの数が多い場合もあるようです。

【 Altamed Pharmacy 】

見学したリテール薬局は、ロサンゼルスの東に位置するアルタメットファーマシーです。
総合内科、小児科、歯科、産婦人科、整形外科などが入る総合病院の構造的に中に入っている院内薬局です。薬局が受け付ける処方箋のほとんどがこの総合病院と2マイル先の老人ホームの処方箋で、約700枚/日です。ただ、薬局が受け付けてる処方箋枚数は病院側が発行する処方箋の51%だそうです。考えられる理由の一つとしてリフィル処方箋や電子処方箋の普及により患者が立地で薬局を選んでいないからだそうです。
なぜ病院が発行している枚数がわかるかというと、この薬局では病院側と提携して普通では見ることのできないDRの電子カルテを薬局側からアクセスしてみることができるからだそうです。電子カルテに記載されている、患者の診断や検査値など詳細な情報をもとに投薬やカウンセリング、DRとのミーティングを行い、他の薬局との違う質の高いサービスを実現しています。


・投薬までの流れ
電子処方箋受付→入力→保険請求(オンラインデ数秒)→ラベル印字→調剤→監査→投薬

真ん中の緑の部分が電子処方箋です。
処方箋は印刷し、日本での紙の形式としても扱えます。


保険請求により、患者負担金額情報が戻ってきて、ラベルを印字します。見せてもらったものは負担がありませんでした。

 


調剤は基本的に自動分包機で行います。あまり出ない薬の時は、右側の機械で錠数をはかり、調剤します。上から入れるとレーザーで計測する仕組みです。


調剤・監査したスタッフの名前は、パソコンに記録され、いつでも確認できます。
投薬の際は、患者さんに了承して受け取ったという証拠のために、必ずタブレットに署名をもらいます。
基本的に歴というものはないので、アレルギー等はパソコンにメモしておきます。初回の投薬で服用時の注意点、副作用等の情報提供を行い、それ以降は基本的に患者からのアプローチがなければそのまま渡す流れになります。
施設の患者さんに時々一包化も行っているようです。
この薬局では、調剤過誤は数か月に1回程度だそうです。

・ドラッグストア
今回訪れた2つのドラッグストアは2つとも数キロ圏内にあります。

・CVS
CVSの方が新しく、24時間営業です。
商品棚の配置が、店舗内奥にある処方箋受付コーナーへの導線を優先するような特徴的なものでした。
調剤室は外から全体的に見えるような構造で薬剤師と患者が気軽にコミュニケーションをとれるようになってます。
店舗内は通路が広く取られ、商品棚が低めに設定されており、とても開放感のある内装でした。
ザイザルやアラミスト、ネキシウムのOTCとして販売されてました。


・Rite Aid
Rite Aidの方が古くからあるドラッグストアで
営業時間は7:00~22:00
薬剤師はその中でも限られた時間しか勤務してません。
禁煙相談やリフィル処方箋の受付、予防接種などのポスターが貼ってありました。
右下のシステムは椅子が体重計の役割を持ち、左側に血圧計がついてます。
身長などを入力すると、BMIや血圧、心拍数が表示され、総合的な健康状態を無料で評価してくれます。
治療と予防の役割を重視してる印象を受けました。


・メールオーダー薬局
メールオーダー薬局とは、クローズドファーマシーで、電子処方箋を受付け、amazonのように倉庫のような大きい場所で機械化により効率的に発送まで行う薬局です。
処方箋を送ってから、手元に薬が届くまで日にち単位の時間がかかるので慢性疾患の薬を取り扱います。処方箋売り上げの約22%をメールオーダー薬局が占めます。
オーダーは一般的に90日処方が多く、大企業グループの約87%はメールオーダーサービスを提供してます。

(クローズドファーマシー)
メールオーダー薬局やスペシャリティ薬局に見られる体系です。直接患者さんが来ることがなく待合室がない薬局です。構造としては倉庫やオフィスのような外観からは薬局とは判断できないことがあります。取り扱う薬が慢性疾患の薬や、投与タイミングが決められている薬を取り扱うので、電子処方箋で受け付け、高価な薬など在庫がなければ発注し、薬を 揃え、医師や患者に配達する仕組みになってます。

・スペシャリティ薬局
スペシャリティ薬局とは、一般的な低分子製剤とは異なる、生物製剤、バイオ医薬品など極めて専門性の高い医薬品を取り扱う薬局です。必ずクローズドファーマシーとは限りません。
最近のアメリカでのスペシャリティ薬のトレンドとして
・年間の成長予想=20%
・アメリカの医薬品市場においてスペシャリティ薬のシェアは40%を占める。
・年間の薬剤費は患者一人当たり$20,000~$250,000となっている。
・新しい医薬品の流通経路が拡大している。
などから、存在価値や収益拡大につながるので近年広まってきている分野です。

スペシャリティ薬局の特徴的なサービス
・患者と処方医の教育
臨床的に複雑な医薬品なのでDRへの情報提供や治療方針、患者への服用・使用についての教育が重要
・事前承認と申し立ての調整
多くのバイオ医薬品は、患者が契約している保険会社の事前承認が必要
・治療資金の調達と患者負担の調整
医療費が高額になるため、患者に対して経済面での管理や支援方法などを提供。
・薬剤師の24時間対応
・アドヒアランスのモニタリング管理
複雑な治療計画の元行われるので、綿密な管理が必要。
・臨床モニタリング、副作用管理

他の薬局との違い
顧客の考え方:一般的な薬局が患者を顧客と定義しているのに対し、スペシャリティ薬局はサービス提供エリアの調査をもとに、支払機関や医師、クリニック、患者を顧客としてみなしています。
厳しい基準:バイオ医薬品は管理環境の難しさや、限られた流通経路が必要なので指定薬局としての認定が必要。複雑な構造基準や条件が必要になります。

PharMedQuest Specialty Pharmacy
見学した薬局は、メールオーダー薬局とスペシャリティ薬局の二つの機能を併せ持つ薬局です。オフィスのような外観で、患者が来ないクローズドファーマシーです。患者さんとのやり取りは電話で行っています。様々なドクターが所属する大きなドクターグループと提携してるので様々なスペシャリティ分野の処方箋を取り扱います。
処方箋は300~400枚/日で、スペシャリティ薬局では、15億円/年の売り上げがあります。
新患とリフィルの割合は1対1です。例としてこの薬局で管理しているHIVの患者さんは約800人いるそうです。

営業は月~金の9:00~17:00で、スタッフは3人の薬剤師と15人のテクニシャンでクラークはいません。薬剤師は監査と薬学的管理等を行い、入力、請求、ピッキング等をテクニシャンが行います。
アメリカでは卸に対して薬代をすぐ払わなければいけない点や、スペシャリティ薬は単価が高いこと、電子処方箋を受け付けてから発送までに時間的余裕があることが理由で、在庫を絞り、処方せんを受け付けてから発注することも多いそうです。
配達業者は、第3者の業者を使い、もし薬に何かあった場合は賠償責任を負うことになるので、それに対応できる保険もあります。
スペシャリティ薬を服用している患者さんはほかの慢性疾患の薬も服用していることが多いので、薬局から患者さんに薬局側で一元的に薬の管理をしますよとアプローチし、モニタリングのサービスや、スペシャリティ薬以外の薬の配達も行うそうです。
基本的に薄利多売で収益を上げています。
専門性の高い知識が必要となりますが、薬剤師の勉強のツールとして、メーカーのwebサイトやアーティクル、研究論文、ガイドラインの見直し、メーカーに電話して薬についてトレーニングしてもらっています。

・REMSについて
スペシャリティ薬を扱う時に必要なものとしてREMSというものがあります。
REMS(リスク評価.リスク軽減戦略)とは「FDA再生法」に基づいて、新たに導入されたシステムです。FDAは患者数、病気の深刻さ、期待される効果、予測される治療期間、副作用のリスク、新薬かどうかなどを考慮し、必要と認めれば、企業に対して承認前(医薬品がもたらすベネフィットがリスクを上回ることを保証するためにREMSが必要だと判断した時)、承認後(承認時に認められた重要なリスク(副作用)について、市新しい安全情報が必要だと感じREMSが必要であると判断した時)であれ、医薬品のリスクを見極め、そのリスクを最小限にするための管理プログラムを提出させることができます。

REMSで用いられる主な対策として3つあります。
・Medication Guide(薬剤情報提供書)の配布
特別に注意すべき事項(副作用の初期症状)を必ず患者さんに説明し、文書で伝える。
・Communication Plan
医療関係者に注意喚起の書類を配布したり、学会を通じて情報提供する。
・Elements to Assure Safe Use (ETASU)
本来なら使用しづらい重篤リスクのある薬剤について、処方医や薬局の認定や承認、臨床検査やモニタリングなど一定の要件を満たした場合にのみ、薬剤が供給される。

【 Fountain Valley Reogional MC 】

救急外来を持つ、総合病院です。400床あります。
救急には、24時間365日薬剤師とテクニシャンが常駐してます。薬剤師が応急手当を行うこともあります。アメリカでは基本的に総合病院には基本的に地域のクリニックからの紹介でなければ受診できません。
薬剤師は治験専門の薬剤師や疾患ごと、様々な専門薬剤師が在籍しています。
薬剤部では調剤薬局のように、電子処方箋を受け取り、テクニシャンが入力し、ピッキング、薬剤師が監査する流れになっています。この病院には約3000品目あり、ピッキングの際はバーコードによって取間違い防止をしています。
PTPシートはコストが高いので外来では使わず、入院患者のみに使用します。
左下の写真は薬棚で入力が終わると、ピッキングする薬の棚のランプが点灯しミス防止になってます。
病院内の薬の動き(薬剤部、ナースステーション、手術室など)は指紋やバーコードによりリアルタイムで把握できます。
静注混合もテクニシャンが行います。混合ミスがおこったら、テクニシャンは必要なトレーニングをやり直し、調剤、監査担当者全員で責任を取ります。
麻薬は薬剤師のみ指紋認証によって薬の出し入れができます。


今回の研修の最終日に、座学、薬局見学で学んだことなどをもとに、4人ごとのグループでケーススタディの戦略提案プレゼンを行いました。
自分たちがコンサルタント会社の社員になり、架空の薬局の経営者に持ち時間15分でプレゼンを行うというものです。
資料は、座学の日から発表までの3日間で空いてる時間を使い、グループで集まり、日々アップデートされるアメリカの現状について話し合い、作成します。
今回のケースは人件費の増加や売り上げの伸び率の低下により、スペシャリティ薬局業界に参入を希望している医療モールの門前の薬局の経営者に対して、具体的にどのようなプランを、どのような段階を踏んでいけばスペシャリティ薬局業界に参入でき、利益率の成長を伸ばせるかをプレゼンするというものでした。
まず、ケースの現状を、財務状況、設備、従業員、地域のニーズなどあらゆる視点から、具体的に何が問題点となっているか分析します。
分析したものに対して、どのように問題点を解決し、他との違いを生み出していくかを考えます。

分析力や経営者に対してのプレゼンなので、具体的な数字や興味を引く方法といったポイントも求められました。
自分たちの資料作りや、他のグループのまったく違う視点からのアプローチや対策プランを通して、視野の広さ・客観的な分析・とりまく環境の具体的な数字化・発想の転換の重要性、アイディアの具体化の難しさを学びました。
今、日本の薬局が、かかりつけや健康サポートというものへの「変化」を求められてますがどのような「変化」であれ「変化」に対応するためにはこういった点も大切なのではないかと感じました。

右の写真は、三日目の座学の日のランチです。グループで資料を作りながら食べました。
最初は具の多さと大きさに衝撃を受けましたが、食べてみると意外と具の多さは感じさせない味の濃さで、野菜のフレッシュさでパンと具のモサモサ感が消され、とても美味しかったです。
アメリカといえば付け合わせはポテト。フライドポテト、ポテトチップスなど様々な形でお目にかかれます。今回は、手作り感満載の脂っこいポテトチップス。日本の技術の高さ、品質の良さをここでも感じることができました。

その他にセミナーを通して、薬局業界の中で変化していく上でDuane氏が重要としているポイントを学びました。
・変化をしていく中で、組織の中に、継続的に改善していくシステムが必要となる。
・ミスに対しては、シックスシグマのような具体的なプログラムを使ったり、アメリカではISMP(安全な医薬品慣行研究所)のツールを使ったりする。
・CQI(Continuous Quality Improvement:継続的な質改善活動)
「自発性に基づいた、質を測定し改善、維持を行うために行われる組織的で継続的な活動」「理想と現実の乖離(エビデンスー診療ギャップ)を埋めるための作業」
をいかにヘルスケアや薬局に取り込めるかということもヒントになってくる。
・目標を立てる際には、データを集め、分析し、現段階でどの基準にあって何が必要なのかを具体化してから目標設定をする。
・ICD10などで患者の情報をよく知っておくべき。
・地域の人口統計を調べ、薬局に何を求められるのか分析したり、CRMを用いて分析する。
・電子処方箋に移行していった際に、立地では処方箋は集められなくなる。薬剤師として医師に臨床的なサービスであったり、患者に対するサービスであったり、ほかの薬局とどういった違いをつけていくかが重要となる。
・機械化できない薬剤師の仕事は何か、医療提供者として、治療、薬物療法のクオリティを上げるために何が必要かを考える。
・考え方として、できないことから考えていくのではなく、どういった可能性があるかといった目線から、革新的なアイディアを使ってサービスにつなげていく。


右の写真は、ケーススタディの発表が終わり、全てのプログラムが終了した最終日のディナーのメインです。
1ポンド(450g)ステーキ。
柔らかく、ジューシーでとても美味しかったです。
ここでも、付け合わせはポテト。
肉の大きさのインパクトを打ち消してしまうほどの遺伝子組み換えポテト。ポテトは食べれませんでした。

アメリカの薬局をとりまく医療制度、システムはとても合理的というイメージを受けました。電子化、機械化が進んでいる分、無駄がなく効率的に見えたのも一つの理由だと思います。
アメリカではテクニシャンの存在により、薬剤師が薬剤師にしかできない仕事を主に行っているので、薬剤師としての仕事をする時間が確保され、薬剤師という職業が確立・認知されており、薬剤師が他の職種や患者さんから何を求められているか、薬剤師として何を提供できるかが、外からでもクリアに見ることができました。
薬局、病院ともに機械化が進んでいましたが、特にミスに対する対策に重きを置いているように感じました。アメリカでは調剤過誤で訴えられることも少なくないようです。自己責任の文化からくるものかもしれませんが、どの立場のスタッフであれ、医療提供者としての責任を重く受け止め、ミスに対する対応、対策の認識が統一されていました。

今回見学した薬局は病院を合わせて5つでしたが、それぞれ担う役割がはっきり分かれていたように感じました。「薬局」というものに対して、社会のニーズが幅広く、ある程度それぞれに特化、強みがなければ効率よく、より良いサービスの提供に繋がらず、競争に勝てないからではないかと感じました。
確かにアメリカの医療システムは、日本より10年進んでいるかもしれません。アメリカの合理的な方法は日本に取り入れるメリットは十分にあると思います。
日本の「守られている制度」はメリットもありますが、自己責任という概念を著しく低下させるデメリットも持ち合わせていると思います。

ただ、日本には「おもてなし」や「思いやり」など効率・合理性を求めない、サービス精神という良いものがあります。今後かかりつけや健康サポートという新しい分野に変化していく上で、サービス精神と合理性をもった新しいシステムが生まれれば、日本での「薬局」も変わっていくと思います。
アメリカでは日本でいう細マッチョのような細い体系の男性はゲイに見られるので、がっしりとした体形が好まれる文化があるようです。それを聞いたのと、毎日のアメリカンな食事との相乗効果で外見的にもひと回り成長してきました。ただ、日本の文化ではアメリカほど好まれないと思うので、せめて出国前程度に日本の文化に合わせようと思います。

リスが写ってます。