MainTitle

  • 高福祉国家
  • 老後は住みやすい
  • 家具が有名、トナカイの国
  •   よい印象が多いのでは…??

スウェーデンの国民負担率70%!!

この数字を見れば、収入から強制的に国や自治体にもっていかれるお金がどれほどあるかがわかります。(日本は、43%) 収入の7割も税金や保険料にもっていかれるスウェーデンでは、『いくら働いても、自分が使えるお金が残らない』という不満が強く出ているそうです。 スウェーデンの消費税は、洋服など一般の商品やレストランで25%、日用品や食品が12%、書籍や新聞が6%、酒やタバコなどの嗜好品は、ものによっては200%にもなるほど。 とにかく物価高い。物を買おうと思っても計算するとためらってしまうほどでした。(ペットボトル入りの水→300円。)

高福祉を支えるための高負担!!!

  • 税負担は、世界最高水準。海外で働く若者も増えたそうです。
      (税金が高いため、貯金はほとんどない)
  • 早期年金受給者が多い。これは、腰を痛めた、精神的ストレスで働けない…などの理由で医者の証明があれば仕事を
      やめても、生活費が支払われるのだそうです。どうみても元気そうな人もこの制度を利用したりしているとのこと。
      この早期年金受給者の多さが、スウェーデンの財政を苦しめている原因の一つだそうです。
スウェーデンの薬局

APOTEKET

国が全株式を保有する巨大な薬局チェーン。
全国の薬局が1つの会社組織となっている。(町の薬局も病院の薬局もすべてAPOTEKET)

スウェーデンには3つの薬科大学があり、毎年300人くらいの卒業生がでるが、ほとんどが、病院や薬局には行かず製薬会社に就職するそうです。(お給料¥;製薬会社>薬局)

APOTEKET GLOBEN

OTC薬、動物薬、化粧品などが買える。(スウェーデンには調剤専門の薬局はない
そうです。)

営業時間
  • 月~金10:00~19:00
  • 10:00~17:00
  • 11:00~17:00
スタッフ
  • 薬剤師:6人
  • テクニシャン:4人
  • キャッシャー:1人
  • 処方せん;9000枚/月。(土日は少ない)。開局してまだ3年目
      なのでこのくらいの枚数だそうです。
  • 14000人/月のOTC患者さんが来るとのこと。
  • 風邪、胃腸薬、アレルギー薬、禁煙補助薬など、OTC薬は
  • セクションごとに分かれています。 OTC薬の棚には、
      小さな冊子が置いてあり、注意書きなどが書いてあります。
  • 日本のような、安さを強調した押し売り感はまったくありま
      せんでした。店内は、とても清潔で、商品も見やすく、
      どこに何が置いてあるかが一目でわかりました。
  • 処方せん薬⇒薬剤師
  • OTC薬⇒テクニシャン(わからないことがあれば薬剤師へ)患者さんは自分でOTC薬を選ぶが、薬剤師がアドバイスを
      することもあるそうです。(ex:OTCで鎮痛薬を買う時は、副作用もあるので胃腸薬をすすめる。など・・)
  • 介護・在宅ケア用品や、健康食品はほぼ扱っていない。
アメリカとの違い!!

アメリカは自己責任の国。スウェーデンは高福祉国家のため、他人頼りの 一面があるのかも・・・

処方せんは、受け付けた後2つのラインにわかれます。

  • 受付け後、すぐに渡せる方(4分くらいで)
      受付け順ではなく、早く渡せるものは渡してしまう。→95%
      の達成率だそうです。
  • 時間のかかりそうなもの
      Drと連絡を取ったほうがよいものや、在宅の方のものなど。
  • 処方せんを入力すると、番号で管理された薬品棚の中から、処方された薬のある棚が前に飛び出してくる仕組みになっている
      そうです。(入力コンピューターと薬品棚が連動して動く!)
  • 標準包装品(30錠、50錠、100錠、あるいは300錠)に、氏名、用法などのラベルを貼って患者さんに渡す。
  • 散剤分包機や一包化を見かけませんでした。

代替調剤

処方せん上に、Drのサインのあるものは後発品には変えられないそうです。

スウェーデンのすごいところ!!

薬代は、一定額以上を超えるとタダになる!!! 社会保険制度による給付として、全国一律の自己負担額が設定されていて、一年間で1800krが上限です。(1800クローネ≒日本円で3万6千円)1Kr≒20円

案内して下さったピーターさん

ピーターさんは、患者さんのために相談に乗ってあげるほうが経済的価値よりも大きいので薬局 を選んだそうです。薬歴は、指導が15分以内なら書かず、30分くらいなら指導内容を書いて患者さんに渡している とのこと。15~30分指導しても、お金をとるというシステムはないそうです。

  • 後から取りに来る方用の棚
  • 2つの卸から薬を購入
  • 麻薬金庫

Karolinsuka University Hospital(3つの病院が集まっている)

  • 1,600床
  • 1,500人の従業員
  • 2100人の研究者
  • 140万人/年の患者数
  • 1時間当たり7つの手術をして年中無休
  • 病院薬局は3つあり100人の従業員(薬剤師50人)

病院の中は、カフェや売店などがあり、とても華やかで明るい感じ。一つのコミュニティーのような場所でした。 病院の中にはHospital Pharmacy/Clinical Pharmacyと分かれていて、会社は同じでも入院用の サービスと外来用のサービスは組織が違うそうです。

講義

病院の薬局に勤めるパーさんが講義をして下さいました。

    【概要】
  • スウェーデンには約100ヶ所の病院薬局がある
  • スウェーデンには7つの大学病院に薬局がありそこでは医薬品情報をやっている
  • 病院の処方せんは手書きではなくオーダリングシステム
  • 1つの会社が病院薬局を独占している
  • 2つの卸から薬を購入している
    【変化(Big Changes in hospital pharmacy)】
  • 今の病院薬局は薬剤師の管理者を置かなくてはいけない
  • 2008.6より薬局の独占状態が変わり、市場開放(1社独占なのは、スウェーデン、
      北朝鮮、キ ューバだけ!!)
【教育】

スウェーデンの薬学部は、5年制で、その後へルスケアプロフェッショナルとなるために3年間 教育が必要だそうです。そのほか、1年間のクリニカルファーマシーの教育があるそうです。

    【CLINICALPHARMACY in SWEDEN】
  • 静脈注射薬に詳しい薬剤師
  • 薬の安全
  • 薬の使い方
  • 薬物動態
  • 病院薬剤師は、ヨーロッパ全体共同で患者さんの安全を守ろうとしているそうです。ヨーロッパの薬剤師は、日本やアメリカと違い、電解質のものも自分の病院で作っています。 実際に講義の中のスライドには、何枚か電解質製剤の写真が入っていて熱心に説明をして下さ いました。
電解質製剤を作る薬剤師の方

薬を供給することや、製剤が中心。患者さんに対するサービスは少ない。
アメリカでは、80年代の考え方。患者志向の考え方は少ない。薬剤師は、製剤への熱意が強く、患者さんへの対応は冷ややか。クリニカルファーマシーへの取り組みは、製剤中心の業務に行き詰まり始められているが、これは、アメリカでは30年以上前に取り組み今では必要のないこととされている。

  • 病棟からの電子オーダー
  • 調剤室
  • 入院患者さん用の薬
  • 『APOTEKET』という…

    全国に980の薬局を持っていて、全国の薬局が1つの会社組織になっています。 約30年くらいの間、独占的に運営されてきました。また、製薬企業あるいは薬品卸から直接医薬 品を購入することが出来ます。 スウェーデンの薬局は、APOTEKET社に所属しているが、薬剤師は公務員ではなく、採用も薬局 ごとに行っており、人事異動はないそうです。薬局の配置や、薬剤師養成などは政府の管理下で 計画的に行われているとのこと。 競争原理がないため大多数の都市ではOTC薬が高価であり、しかも店舗数が少なく開局時間が 短いので国民からは不満の声も・・。

  • 『2008.06』より

    スウェーデンにおける、独占的で、閉鎖的なものに対するヨーロッパからの圧力や、財政難のため 市場開放となる。APOTEKET社による医薬品独占販売に終止符を打ち、もっと医薬品の使用を 増やし価格の低下をめざす

  • ⇒今までのやり方では維持できなくなっている!!

    ヨーロッパ裁判所が「スウェーデンにおけるこのような保護主義的なシステムは、薬を求めても 容易に入手できない、海外メーカーの進出を認めないような差別的な点など、ヨーロッパの一般 的な基準からみても違法であり、同国民のためにも直ちに改善すべきである」との判決を下した。

『APOTEKET社』は

  • 毎年、顧客満足度調査を行っているそうです。当初は、待ち時間などの満足度の調査項目だっ たが、2006年版ではAPOTEKETへ
      の信頼度、薬の専門家としてのイメージが指標として掲載さ れている。⇒これからの市場開放へ向けた対応・・??
  • 開局時間の短さに対する不満については、首都ストックホルムにある薬局では、規模の大きい 薬局が開局時間を長く受け持つ
      ことで対応しているとのこと。⇒都市部だけでの対応・・??
  • 国営薬局が業務を独占⇒独占に見合った仕事をしているのかどうか? 競争相手がいない中で、より良いものを生み出そうとす
      る動機は生まれにくいのでは・・・?

スウェーデンは、高福祉で、老後は安心して暮らせるというイメージの国でした。
実際は、国民にたくさんの負担をかけることによって成り立っている国ということがわかりました。 独占的に経営されている薬局に対しても、国民は今までは、1つの薬局しか知らなかったけれど、 市場開放になり、他の私営薬局が参入し、競争相手が増えれば国民の薬局に対する考え方も変わると思いました。参入する薬局が、スウェーデンの薬局に相乗効果をもたらすような薬局であれば良いなと思います。競争相手が増え、互いに潰しあうのではなく、国民がより良いサービスを受けられるようなものに変わることを期待したいです。今回、スウェーデンの薬局を訪問させていただき感じたことは、自分もAPOTEKETになっていたのではないかということでした。門前病院の患者様は当たり前のように処方せんを持ってきてくださいます。それに対して、独占的に当たり前のようにお薬を渡すという自分の行為を、もう一度きちんと見直していかなくてはと思いました。 他の薬局の方と、一緒に研修に参加させていただいて、1つ1つのことに対して敏感に感じ、自分の意見をしっかりと持ち、その意見を述べている姿に、とても刺激を受けました。 『日々、漫然と仕事をしてはいけない!』を体感させて頂いた研修でした。