本文へスキップ

 海外研修


つるみ薬局では年1回の海外研修制度を行っています。
日本とは異なる調剤の環境に触れ、広い視野を持つ薬剤師になってもらう事を目的としています。
ここでは、過去の海外研修の感想をご紹介いたします。




カナダ研修 2006年10月 梅田弘康

 カナダにおいての薬剤師の仕事は本当に薬に関してはすべてを任されているという印象を持ちました。薬の種類、剤形、用法・用量、リフィールへ変更の疑義など仕事の範囲もそして責任も大きいために、質の維持にも力を入れおり日本とは異なる点が多いように感じました。
 それだけ医師からも信頼され任されているレベルにあるということが羨ましく思えました。医師が信頼しているということは、もちろん国民が信頼しているという事に繋がり、カナダでの薬剤師の地位が高い事を示している様に感じました。そして州全体でつながって患者を管理、薬を管理しているところは世界でもあまりみたことのないシステムで、それが生かされているのが驚いた所でもあります。色々な意味で日本ではまだまだ先のことの様に感じました。
 カナダではプライマリケアの観点で医療があるため、大病にかかる前に健康管理をしっかりするといった考えの中、カナダの医療水準は高いがカナダは医療費が世界第2位なので問題の一つになっている。医療従事者が少なく待ち時間の長いという問題点もあり、国民の希望と国の考えが異なっている為これから先もこのレベル・流れで医療が持続できるかどうかは分かりませんが、薬剤師の必要性はまだまだある様に感じました。カナダの仕事と日本の仕事の大きさを比べやれる事の広がりを感じ意欲がわきました。欧米と似て違うカナダの薬局を視察出来たのはこれから先の仕事へもプラスになりました。
 このような機会をいただいてまたひとつ視野が広がり大きくなったと思います。



アメリカ ロサンゼルス研修@ 2007年6月

 研修に参加させて頂き、実際にアメリカの薬局を見学させてもらう事が出来ました。 テクニシャンの方が自分の知識を活かして積極的に働いていたのが印象的で、私は絶対に間違えないという強い意思を持って、仕事に取り組んでいる姿が素敵でした。
本と違って、テクニシャンが投薬できる事は以前から知っていましたが、薬剤師とテクニシャン・クラークの人数の違いに驚きました。日本でこんなに薬剤師が少なかったら仕事が回らないのは目に見えて分かる事です。それだけ、テクニシャンが任せられている仕事が重要なことというのが分かりました。 患者さんに対しても、親切・丁寧で薬局の中の雰囲気も良く働いている方の人柄の良さが見えました。
 今後日本にもテクニシャン制度が入ってくるようになるかもしれません。 アメリカのテクニシャンに負けないように豊富な知識を身に付け、どんな事にも対応できる様に取り組んでいかなければと思いました。見習う点も沢山あり、肌で感じてこれた事はとても良い経験になりました。



スウェーデン研修 2007年10月 佐藤謙光

 今、スウェーデンの医療業界は独占から市場開放へと向かっています。
それは財政難による自己負担の増大と他の欧州諸国からの圧力が原因です。来年の一月には薬関係の競争が始まります。今まではApoteket以外の薬局はありませんでしたが、これからは他の会社ができ、これまでのようなサービスではやっていけなくなるでしょう。
 ヨーロッパでは他の国で作られた薬を使う事ができますし、そのほかにもドイツの処方箋をオランダに持っていって調剤してもらったりできます。 日本とスウェーデンは自国内で自国向けに作られた薬しか使なく、他国へ処方箋も持ち込んでも調剤してもらえません。日本はそれでもあまり問題ありませんが、スウェーデンはそうは行かず、これから他国の製品も使えるようになっていきます。そんななかでサービスの向上、価格競争などに立ち向かっていかなければならなくなっています。
「ヨーロッパ」の「高福祉国家」の薬剤師がどれだけすごいのかと期待して行った今回の研修旅行でしたが、ショッピングセンター内の薬局のピーターさんのような薬剤師もいましたが、日本の一部の薬剤師が患者思考を目指している点においては現状のスウェーデンの薬剤師より一歩進んでいる感がありました。
日本の医薬分業はまだ完成されておらず、代替調剤も始まったばかり、リフィール処方箋は分割調剤として一部の条件つきでしか認められず、テクニシャンにおいては薬剤師自体が認めようとしていません。すでにヨーロッパやアメリカでは医薬分業は完成されている感があります。日本はどちらの国からも学ぶ事ができるのですから、両方のいいところをとりいれ、日本独自の医薬分業のスタイルを確立していけるのではないかと思っています。



アメリカ サンフランシスコ研修 2008年06月

 今回、実際にサンフランシスコの薬局訪問をさせて頂いて、初めて見るものばかりでとても新鮮でした。 医療制度やシステムなどアメリカとの違いは知っていましたが、実際に現場に訪問し、日本との差がこれほど違うということにも驚きましたが、見習うべきことも沢山ありました。 テクニシャンの方のお話で、仕事をするうえで一番気を付けている事は何ですか?という質問に、「処方箋を間違いなく読んで入力をすること」と答えてくださいました。あれだけ業務の数が多く、責任のある仕事を任されている中で、いつでも初心を持って仕事をこなしている姿を見て、今の自分自身を見直すきっかけとなりました。
 これからの業務でも海外研修で学んだこと、感じたこと、沢山の経験を活かしていけたらと思います。本当に参加出来て良かったと思える研修となりました。



ニュージーランド研修 2008年10月

 調剤薬局は温かみを感じさせるような場所でした。
 薬剤師が処方箋を受け取ることは「業務」という点から考えると非効率的ですが、患者さんの立場から考えると薬剤師との距離が近くなり何でも気軽に相談できそうで、プライマリケアの理念によく当てはまっているのではないかなと思います。
 効率的な業務なのか、ある程度非効率的でも地域医療のためになるのか。このバランスをとることが大事で、それは国、地域でも違います。日本国民の望む医療にしっくりこれるような薬剤師を目指して精進していく次第です。



アメリカ サンディエゴ 研修2009年10月 木村理恵

 今回、サンディエゴのメディカルセンターのテクニシャンや薬剤師が一人ひとり自分から責任を持ち、前向きに働く姿を拝見して、責任を重荷と感じるどころか、課題と戦いながらも専門性を発揮できる喜びを実感しながら働いているように見えました。またそれと同時に、日本の薬剤師はアメリカの薬剤師に比べて能力を発揮する場が制限されていると感じました。
 これは、国のシステムと薬剤師への信頼度の違いから差が生じてしまっていると考えられますが、例えばリフィル処方せんのシステムや投薬枚数の制限がなくなればアメリカのように同じ薬剤師でも能力に応じて業務も細分化されていく必要が出てくると思われます。

 またテクニシャンも薬学的知識が必要になってくるためテクニシャン制度も導入されることも考えられます。日本もより薬剤師やテクニシャンの地位が高くなれば、 判断能力を持つ人材が増えるため効率が良くなり、治療上の有効性が高まることで満足度の高い医療につながっていくと思います。




アメリカ ロサンゼルス研修A 2010年7月 大浦逸美

 海外研修を終えて感じたことは、アメリカのテクニシャン、日本の事務の仕事内容にだいぶ違いがあるということです。
 日本では制限されていることがとても多いのが現状なため、比較すると仕事に対する質に差があるように感じてしまいました。 今回、テクニシャンの仕事ぶりを拝見して、仕事に取り組む意識レベルの高さをうかがい知ることができました。
 私たち自身、常に向上心を持ち、薬剤師また患者さんから頼りにされる存在になることで、今後海外のテクニシャンとの差も縮まるのではと思いました。



アメリカ
ツーソン&サンフランシスコ研修 2010年10月

 薬局での薬剤師の仕事は一見同じように見えました。しかしフルショットの話を聞いて、日本と違いアメリカでは薬剤師はまさに医療行為を行う医療人といった感じでした。また、ワクチン接種については大学のプログラムに組まれていることもあり、カリフォルニア州の薬剤師の医療人としてのレベルの高さに驚かされました。このようなアメリカの薬剤師の質の高さは、大学の教育内容、学生の勤勉さが関係しているのはと思いました。今の日本でこのような医療行為ができるようになるのは当分先だと実感しました。
 また、患者やドクターからの信頼関係を結ぶためには、人とのコミュニケーションも必要だと思いました。



インドネシア・バリ島研修 2011年6月

 今回、バリの病院・薬局を訪問させていただいて初めて見るものばかりでとても驚きました。インドネシアの医療制度や調剤の流れなど、日本と異なるところが多かったのが印象的でした。
 街の中にもたくさんの薬局があり、患者さん自身が薬局を自由に選ぶことができるシステムは日本と似ているなと思いました。海外の医療施設を実際に見学させていただく事で、日本との医療の仕組みと比較でき、とても充実した研修でした。



イギリス研修 2011年10月

 今回の視察において一番理解するのが大変だったことは国民性の違いでした。イギリスはとても保守的な国であり、そして自己責任、個人情報ということをとても大切にしているということを理解しないと日本では到底信じられない話が沢山ありました。国分さんのお話の中に、日本は患者さんにとてもやさしいというお話がありましたが、日本に帰ってきて改めて日々の業務を見たときに、手をかけすぎかもと思うほど親切だと思いました。ただ、それは国民性の違いであり、日本の昔からの風習を考えるといいところも悪いところも両者半々といった印象を受けました。
 また、アメリカのようにイギリスではまだ薬剤師の地位は高くないそうで、いろいろなことに手を広げながら模索しているように感じました。また、ドクターの問題、そして標準化され、制限された医療なども考えると予防と早期発見が特に大切であり、おのずと予防医学が進んでいるように見えますが、医療は進んでいるようで進んでいない中途半端さを感じる国だと思いました。しかし日本の医療費の問題を考えると予防医学などは学ぶところは多く、さらに薬剤師として業務の幅の狭さも実感する場面もあり、日々忙しさに追われて過ごすだけではなく患者さんの為に普段の業務を超えて何ができるかを考えていきたいと思いました。




オーストラリア ケアンズ研修 2012年6月

 今回の研修でオーストラリアの医療保障制度、薬局のシステムなどを学び、国が違えば本当に多くの違いがあるのだと知ることが出来ました。それぞれの良いところ、抱える課題、様々あると思いますが、保険料未納や、医療格差、医療保障のそもそものあり方等、多くの問題を抱える我が国において、オーストラリアの制度からは学ぶべき事が多いと感じると同時に、まずは一日本人としてもっと日本の医療に関心を持たなければならないと思いました。
 日本では私たち事務が出来る仕事はまだまだ限られており、オーストラリアのテクニシャンとは求められる能力に差があるなと、自分の存在を小さく感じてしまう部分もありました。ですが、その分だけテクニシャンの仕事は責任も重く、薬剤師とのお互いの信頼関係もより強いものなのだろうと思います。いずれ日本にテクニシャン制度が導入されることと期待し、日々の仕事の中で様々な事を学び、沢山の知識を身につけて行けるよう増々努力を重ね、日本のテクニシャンは素晴らしいと、逆に他国から目を向けてもらえるような存在になっていきたいと思います。



アメリカ・メキシコ
ロサンゼルス&カンクン研修 2012年10月船木友美子

 メキシコは米国にかなり依存している国で、「メキシコで安く作り、米国へ持っていく」というのが基本となっている。しかしながら、米国にしてみると、あまり安くしすぎると物価が安くなり、米国の産業がダメになってしまう。よって、米国とメキシコの関係は微妙なバランスのもとで成り立っているのだそうです。
 メキシコは、実際に話を聞いてみると、イメージよりもずっと“格差”の大きい国であることがわかりました。月収4万円ほどで診察には4000円程もかかってしまいます。公的保険に加入することで、公的病院では無料で診療は受けられるものの、良い医師はおらず、待ち時間は長いなどと、満足に治療も受けられないのが実状。
 発展途上の国であり、日本に住んでいると考えられない現状。一方で、米国に依存している国だけあり、先進医療などを取り入れているといった面もある。貧富の差により同じ国とは思えないくらいの差だなと感じました。 普段あまり目を向けていなかった、こういった発展途上の国の医療についても知ることができ、視野も広がり、日本の医療も今までとはまた別の見方で世界と比べて見られたと感じました。



ロサンゼルス研修B 2013年5月 加藤詩織


 今回2件の薬局を見学させて頂いて、日本にはない特別な製剤方法やコスト削減のためのしくみがあり、その場所、地域にあった調剤や経営をしていること、働いている人達が皆さん楽しそうに仕事している姿がとても印象的でした。
 テクニシャン制度が充実しているアメリカでは任せられる仕事の幅も広く、薬剤師からの信頼も厚い、なくてはならない存在だということをとても感じました。
 環境は違いますが、この研修で感じたことを今後に生かし、薬剤師や患者さんから必要とされる仕事をしていけるよう、日々一生懸命取り組んでいきたいと思います。




ポーランド&オーストリア研修 2013年9月

 訪れた地の中で個人的に感動したのはポーランドの古都クラクフでした。かつてクラクフは首都でしたが首都がワルシャワへと移ったことにより戦地になることを避けられたため、11世紀の教会などが修繕を繰り返しながらも市街地に現存しています。そんな風景を眺めていると、長い時間の流れの中に自分も加わったような不思議な感覚になり、違和感を覚えながらも感動しました。
 今回の研修では日本とは全く異なる医療制度に触れ、日本でのみ生きていたこれまでの凝り固まった意識、考え方を崩す良い機会となりました。



フィリピン研修 2014年06月 遠藤理沙

 日本と同じ薬品名の薬剤もあるが成分含有量が異なる。(フィリピンの薬の薬用量が日本人にとっては多いと言われることがある)
 抗生物質や鎮痛剤など、日本の基準と比べて2〜3倍の量を処方されることも珍しくない。処方されるビタミン剤も、ビタミンの含有量が日本の基準よりかなり多い。
 座薬はほぼ処方されず、子供にはシロップが大半。シロップ剤は粉のまま処方され、水に溶いて飲むタイプのものが多い。湿度が高く溶け易いのと、保管上の問題が理由にある。
 フィリピンの医薬品の多くはほとんどが輸入品に頼っている。
 錠剤などには一錠ごとに製品名と成分名を表示するように法律で定められているため、現在どのような薬を服用しているか患者自身で把握しやすい。
 医薬品の中には、成分が同じでも製薬会社によって製品名が異なっている。医師は成分名で処方しなければならない法律があり、製品名で指定された場合は、 成分が同じ他社の製品で良いかどうかを医師に確認することが重要になる。
 フィリピンでは薬局ごとに薬の値段が異なるので、患者さんに分かりやすく、薬局内の壁に薬の値段の表が貼ってあるところが多い。




トルコ研修 2014年10月

 トルコの薬剤師は日本と比べて業務内容は全く別物というわけではなく、近い部分もありました。違いとして印象に残っていることは日常に近い存在であるということでした。その分、先にも述べたような信頼関係を築きやすいのかもしれません。

 トルコの医療は以前まであまり進んでいるといえる状況ではありませんでしたが、大幅な改革がされてから健康状態は急速に改善しています。改革プログラムの中には国民皆保険など日本と近い部分もありました。日本と比べて平均寿命や乳幼児死亡率はまだ低い状況にあります。しかし、改革が行われてから急激な医療費の上昇に伴い、GEの普及に対する国や国民の意識は日本よりも高いものがあるような感じがしました。日本の悪い点である危機管理の薄さが関係しているような気がしました。

 今回の海外研修で、物事を考えるときに使う視点の広さや新しい価値観を学んだり、日本が小さい国で閉鎖的だといわれる理由や日本の悪い点を外側から感じられたり、自分の意志の弱さや未熟さを痛感することもあったり、色々なことを考えさせられる一週間でした。

 それにより「自分がどういう人間になりたいかという目標が、今まで設定していたものよりもはるか高くなってしまった感じがします。
環境に流されず、目を覚ましながら今回学べたことを意識していきたいです。



タイ研修 2015年5月 浅野美沙 木口瑞葵

 今回タイで研修し学んだことは医師に全てを委ねる日本とは異なり、病名は医師に、薬のことは薬剤師に、という医療の在り方です。
 国民は法律に縛られることなく仏教に基づいて自分の意志で判断していました。
 そのためタイ政府も法律で規制せず別の方法で国民が自分の意志で動いてくれるよう導いているように感じました。
  アジアの中でも日本は一番の先進国であり、他のアジアの国を下に見ている部分があると思います。しかし、どこに行っても国王の写真や絵があり国王と国民の信頼関係がとても強いものだと確信しました。
 タイは愛国心もあり仏教にも忠実です。私たちが思っているより活気があり安全な国でした。



ポルトガル研修 2015年11月 岸浪香織

 ポルトガルという国は、今とても経済状態が厳しく、薬剤師は様々なことにチャレンジし、積極的に活路を見出そうとしていました。
 病院薬剤師も、サテライト薬局などを始め、自らの存在の必要性をアピールしようと努力していました。とは言え、アメリカが40年前、日本が20年前に行っていたサテライト薬局を今始めようとしていることからもわかるように、病院薬剤師の仕事内容としては日本の方が進んでいる印象です。
 薬局の方は、店舗毎に売上の差が大きく、ピッキングマシーンなどで合理化を図るなど、こちらも色々と工夫していました。ワクチン接種や健康相談は、ポルトガルでは当たり前のように薬剤師の仕事で、リフィル処方箋やテクニシャン制度、代替調剤(Holon薬局のGEのシェアは45%くらいとの事でした)も進んでおり、こちらに関しては、日本はまだリフィル処方箋もテクニシャン制度もないため、今後私達にはまだまだたくさんやらなければならない事があり、また、様々な可能性があると感じました。
 一番感銘を受けたのは、博物館館長の「薬剤師は人々の健康を守るためにあらゆる事をしなければならない」という言葉で、こういった誇りが根底にあるからこそ、ヨーロッパの薬剤師は人々から信頼されていて、積極的なのだと思いました。
 これからは、今回の視察で学んだ事を活かして、今まで以上に患者さんと向き合っていきたいです。



クロアチア研修 2016年10月 鹿野祐介

 今回の研修で自分がクロアチアの医療に関して注目したことは日本との薬剤師と患者さんの関わり方の違いです。クロアチアでは「患者さんが必要に応じて薬剤師の能力(知識)を使う(借りる)、薬剤師は患者さんが出来ないことを請け負う」という自然なことが実行出来ているように感じました。そこには日本のような「患者さんは薬剤師の話を我慢して聞く」「薬剤師は患者さんが出来ること出来ないこと鑑みず取りあえずやってあげる」というような不自然な姿、気負いはなくただただ必要性、合理性を追求した結果のように感じました。
 クロアチアでの患者さんと薬剤師のお互いの自然な信頼関係を見ているとGEの低普及率と異常な多剤併用は個人の負担を減ずる必要性を感じる制度にないためか、指導料という制度と薬剤師の過剰な数は患者さんの本来持っている自己責任能力、自己管理能力を不当に過剰に低く見積もる驕りのためではないかなど普段考えないことが色々とあたまに浮かびました。
 もちろんクロアチアの医療にも自分には見えない粗があるのでしょうが、患者さんとの関係性に関してのみは「こうありたい」と素直に思えました。

 終わりに今回の経験で患者さんの必要とするものが何かを見つける能力、何かに応える能力。自分の感じた「こうありたい」に取りあえずそこら辺の不足と向き合うことから初めて行きたいと思います。




シンガポール研修 2017年 斎藤 まみ

 今回2件の薬局とシンガポール薬剤師会本部、私立病院を見学させて 頂きました。2件の薬局はショッピングモールの中にあり処方せんの薬よりも OTCの方が種類も在庫している数も多く、どちらも力を入れている分野を 生かして経営していました。シンガポールは3つの民族が共存している国ですが民族それぞれの 観光施設があり、さらに見学した薬局にも民族の違う方同士が 同じところで働いていました。 民族独自の文化を残しながら同じ国に住む国民として 協力して暮らしている姿を見て、世界のお手本となるような すばらしい国だと感じました。 今回学んだことを今後に活かせるよう日々努力していきたいと思います。



ロサンゼルス研修4 2017年

 アメリカの薬局をとりまく医療制度、システムはとても合理的というイメージを受けました。電子化、機械化が進んでいる分、無駄がなく効率的に見えたのも一つの理由だと思います。
 アメリカではテクニシャンの存在により、薬剤師が薬剤師にしかできない仕事を主に行っているので、薬剤師としての仕事をする時間が確保され、薬剤師という職業が確立・認知されており、薬剤師が他の職種や患者さんから何を求められているか、薬剤師として何を提供できるかが、外からでもクリアに見ることができました。
 薬局、病院ともに機械化が進んでいましたが、特にミスに対する対策に重きを置いているように感じました。アメリカでは調剤過誤で訴えられることも少なくないようです。自己責任の文化からくるものかもしれませんが、どの立場のスタッフであれ、医療提供者としての責任を重く受け止め、ミスに対する対応、対策の認識が統一されていました。

 今回見学した薬局は病院を合わせて5つでしたが、それぞれ担う役割がはっきり分かれていたように感じました。「薬局」というものに対して、社会のニーズが幅広く、ある程度それぞれに特化、強みがなければ効率よく、より良いサービスの提供に繋がらず、競争に勝てないからではないかと感じました。
 確かにアメリカの医療システムは、日本より10年進んでいるかもしれません。アメリカの合理的な方法は日本に取り入れるメリットは十分にあると思います。
 日本の「守られている制度」はメリットもありますが、自己責任という概念を著しく低下させるデメリットも持ち合わせていると思います。

 ただ、日本には「おもてなし」や「思いやり」など効率・合理性を求めない、サービス精神という良いものがあります。今後かかりつけや健康サポートという新しい分野に変化していく上で、サービス精神と合理性をもった新しいシステムが生まれれば、日本での「薬局」も変わっていくと思います。
 アメリカでは日本でいう細マッチョのような細い体系の男性はゲイに見られるので、がっしりとした体形が好まれる文化があるようです。それを聞いたのと、 毎日のアメリカンな食事との相乗効果で外見的にもひと回り成長してきました。ただ、日本の文化ではアメリカほど好まれないと思うので、せめて出国前程度に日本の文化に合わせようと思います。



タイ研修2  2017年9月

 タイではかかりつけ医、薬局の文化はありますがそのルールに従わなければいけないという文化はありません。そのため自分たちで薬局を選んでいますが、立地や接客対応の他、日本にはない価格という選択肢がありました。病院へ行くと医療費が高くなるので薬局に直接薬をもらいに行くのが一般的でした。もちろん病院で薬を出してもらう場合もありますが、薬局でもらったほうが安くあがるという助言を出す医師もいるようです。それが医師の人気にも関わってくるようでした。病院に行ったとしても何度も通院するということはなく、受診するべきなのか、薬が必要なのか利用者が自分自身で判断していました。
 薬局ではお伺い書を記入してもらうことや誰に何の薬を渡したかなど記録はしていないそうですが、最近になって名前を書いてもらわないと渡せない薬(向精神薬)や年齢制限のある薬が増えてきて年々厳しくなっているようでした。
 自分の意志で判断する事がほとんどで法律に縛られることのないタイで厳しいルールができることによって手間が掛かる分、より安全に薬を利用することが出来るようになるのではないかと感じました。
 タイに行ってみて、薬局の方々のお話を伺ったり、街に並んでいるものを見ると、自分たちの健康は自分で管理しましょうという考えが伝わってきました。日本では患者に対して手取足取り教えてあげる文化という感じですが、タイでは全部当事者に任せる文化という感じがしました。病気が良くなるのも悪くなるのも自分次第なので自分の意志がしっかりしている人は良いですが、意識が低い人はうまく治療できない可能性もあると思います。患者の病識があるかどうかはタイだけの問題ではないので日本でも同じことが当てはまると思いますが、みんなが平等に医療を受けられる日本の制度は改めて手厚いものだと実感しました。



ケアンズ研修2 2018年 溝口菜摘

感想:アシスタント@
 オーストラリアでは、国民が健康に対して自己管理がしっかりできていると感じました。日本は決められたことしかしていませんが、オーストラリアでは患者さん自身が決めている部分が多いです。これは国民の健康意識が高いからこそできることだと思うので、私たち日本人も見習う部分があると思います。また、薬局には個室があり、気軽に相談できる場所があるので、そこから薬局と地域の人達との関わりもできると思います。なのでこれから健康サポート薬局になる為に、いつでも地域の人達が来やすい雰囲気作りをしていきたいと思いました。

感想:アシスタントA
 今回オーストラリアの薬局を見学してみて、調剤テクニシャン制度やリフィール処方せんなど、日本でも進めようとしていることがすでに実践されていることが分かりました。オーストラリアでは、患者と薬剤師が接することはほとんど無く、調剤テクニシャンなどのスタッフが対応していました。GEは先発医薬品の半額以下の値段の物も多く日本より安いためGEの普及率もだんだん伸びているそうです。日本人は、先発医薬品の方が効果があると思っている人も多いですが、オーストラリアはGEに変えることは良いことと認識している人が多いそうです。
 日本でもオーストラリアのようなやり方になったらアシスタントが活躍できる場面も増えると目で見て感じることができました。

感想:薬剤師
 今回の海外研修にタイトルつけるならば「オーストラリアで日本の薬局の未来像を再確認した」ということになるでしょう。
特に薬局の在り方について大きな違いを感じました。オーストラリアの薬局は処方箋を300枚も応需してかつ、健康食品やサプリメントの販売、健康相談にも取り組み、人々にとって「健康を維持する上での欠かせない場」といった印象を受けました。今後日本においても健康サポート薬局になっていくにあたって、そういった立ち位置を目指さなければならないのだと感じました。
 今後日本でリフィル処方箋やテクニシャン制度が導入されることによって、薬剤師の数が1/3になるということを中原先生からはいつもお伺いしていましたが、今回自分の目で確認したことによって、現実的なことなんだと改めて認識できました。
 今回海外研修で学んだことを今後の健康サポート薬局づくりに活かしていければと思います。



ロシア ウラジオストク研修 伊藤 由真

感想:アシスタント
 ロシアの国民は自分の健康をしっかり管理できていると感じました。 ロシアでは具合が悪くなったら病院で はなく薬局に行って、薬で様子を見るという考えです。 そのため薬の知識も豊富で、症状に合わせてどの薬を 飲めばいいかも把握しているそうです。 実際、街中の至る所に薬局があり、 日常生活で必要な存在なのだと感 じました。これはセルフメディケーションをしっかりできているからだと思うので、日本人も見習うところが あると思います。 日本ではすぐ病院にかかりがちなので、症状が軽度なら自分で治療するなど、 1人1人が自分 の健康に対する意識を高めていくことができればいいなと思いました。

感想:薬剤師
 ロシアでは、病院にかかるより前に、まずは薬局で薬を買って対応することが多く、自分で健康管理をしようと Net. いう考えはロシアでは当たり前のようでした。 医療用医薬品についても処方箋なしで購入できるようですが、 薬 代については通常自己負担であるため、値段が変わらないということがあるようでした。 今回お話を伺った限り では、医師をあまり頼りにしていないようにも感じられたので、ある意味ではそれも自分の健康を自分で守ろう という意識を強くしているのかなと思いました。 ロシアの薬局を訪問し、お話を伺う中で、 薬剤師が主体となって患者さんの薬物治療を支えているのが印象的で した。日本において、 リフィル処方やセルフメディケーションがすすんでいけば、今まで以上に薬局や薬剤師が 果たす役割は大きくなっていくと思います。 ロシアとはまた事情は異なりますが、 薬局や薬剤師が要となって患 者さんや地域の方の健康を支えていくのだという意識で今後の業務に取り組んでいきたいと思いました。